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五月人形に込められた守護の力と甲冑づくりの裏側

男の子の誕生を祝う端午の節句。
飾られる鎧や兜は、単なる置物ではなく、大切なお子様を災いから守るための守護神としての役割を持っています。

その作りは非常に緻密で、まるで本物の武具を縮小したかのような迫力があります。

弊社の人形工房では、金属の板を一枚ずつ繋ぎ合わせる「縅(おどし)」という作業を大切にしています。

これは、細い正絹の紐を小さな穴に通し、鱗状の板を編み上げていく工程です。

非常に根気のいる作業ですが、この紐の色の重なりが、兜の美しさを決定づけます。

お客様の中には「この紐の色を、自分の好きな色に変えたい」と希望される方もいらっしゃいます。

弊社ではパターンオーダーも承っていて、吹き返しの印伝革を選んでいただいたり、糸の色を自由に選んだりすることで、その子だけの特別な兜に仕上げることができます。

五月人形には、鎧兜の他に「武者人形」もあります。

これは桃太郎や金太郎、あるいは歴史上の英雄をかたどった人形で、お子様の将来の理想像を投影したものです。

凛々しい表情を作るために、職人は筆一本で目や眉を描き込みます。
わずか数ミリの筆先の動きで、優しさや力強さが表現されるため、工房内が最も緊張に包まれる瞬間でもあります。

佐野の工房では、実際に職人が作業している様子をご覧いただくことも可能です。

金属の叩く音や、絹糸が擦れる音。
一つひとつの部品が組み合わさって形になっていく過程を知ることで、五月人形への愛着はより深いものになります。

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