ひな人形の命を吹き込む伝統の素材と職人の手仕事
ひな人形選びで大切にしたいのは、外側の美しさだけではありません。
中身がどのようになっているかご存知でしょうか。
一般的な人形には、発泡スチロールやプラスチックが使われることも増えてきましたが、弊社が守り続けているのは、土に還る自然素材での製作です。
特にお人形の体幹となる胴体には、日本人の暮らしに馴染み深い「わら」を使用しています。
藁を束ねて形を整えるわら胴は、適度な重みと調湿作用があり、お人形を長く健やかな状態で保ってくれます。
また、お顔の仕上げも職人の腕が試される重要な工程。
桐の粉を固めたものに、貝殻を細かく砕いて作る「胡粉(ごふん)」を何度も塗り重ねていきます。
一度に厚く塗るのではなく、薄く何度も塗り重ねることで、あのみずみずしく、透き通るような肌の質感が生まれます。
「まるで生きているかのような温かみを感じる」と言っていただけるのは、この丁寧な下地作りがあるからです。
お着物の着せ付けにおいても、ただ布を被せるのではありません。
平安時代の装束を正しく再現しつつ、座った時の自然な膨らみや、袖口から覗く重ねの色目の美しさを追求します。
完成したお人形を飾る台や屏風には、木目の細やかな会津桐など、選び抜いた木材を合わせます。
金彩で描かれた松や梅の文様が、お内裏様とお雛様の存在感をいっそう引き立てます。