ひな人形の顔に注目!三人官女の真ん中だけ眉毛がない面白い理由
ひな人形を近くでよく見ると、二段目にいる三人官女の顔立ちがそれぞれ違うことに気づきます。
実は、真ん中に座る女性だけ眉毛がなくて、歯を黒く染めるお歯黒をしています。
これは昔の日本で、結婚した大人の女性がしていたお化粧です。
つまり、真ん中の女性は頼りになるベテランのリーダーで、両側の二人はまだ結婚していない若い助手。
弊社の人形工房がある栃木県佐野市でも、この歴史的なルールを大切にしながら、職人が一つずつ顔を仕上げています。
顔づくりはとても繊細な作業です。
まずは土台に、職人が小さな刃物を使って、目や鼻、口の形を丁寧に彫り込んでいきます。
刃物の進め方ひとつで、おっとりした顔にも、キリッとした顔にも表情が変わります。
その後に、貝殻を細かく砕いた白い絵の具を、何度も塗り重ねていきます。
1回塗るごとにしっかり乾かし、なんと10回以上も重ね塗りをすることで、あのツルツルとした美しいお肌が完成します。
最後に、細い筆を使って墨で髪の生え際や眉を描き、お雛様の命である目を書き入れます。
真ん中の女性には、お殿様とお姫様をしっかり支える優しさと落ち着きが出るように、目元を少し穏やかに仕上げる工夫をしています。
おうちに飾る際は、ぜひ三人官女の顔を見比べて楽しんでみてください。