お人形まめ知識
十五人の意味
御雛様は、誕生した女子の分身として飾っております。
ひとつは、平安の昔より行われてきた禊、祓いの意味で、赤ちゃんの身代わりとなって災厄を引き受けるお守りの役割があります。
もうひとつは、十二単をまとい結婚式に臨(のぞ)んでいる姿をさせていることの意味は、予祝(よしゅく)(注1)という考え方で赤ちゃんの将来に対しての思いを形にしてあることです(昔の豊な人たち)が、それ以上の幸せを望むには、より大きな力を持った男性との婚姻という事でした。
御内裏様は、お雛さまの結婚相手(赤ちゃんにとっては、将来の旦那様)という意味で飾られます。ですから三国一の花婿(江戸時代に対雛の考え型が確立した事を考え合わせると、天皇様か徳川様といった男性像でしょうか)を意識し立派な殿様の衣装に身を包みます。
三人官女は、お雛壇が婚礼の姿と言える所以となっている人形で、特に、中央の座った姿の人形を、待ち上臈(まちじょうろう)(注3)と言い、上殿(じょうでん)(注2)を許された身分の高い成人女性で、顔の化粧は眉なし お歯黒が正式になっております。また、両脇の二人は、立ち姿でお手伝いの巫女さんとなっております。当然、結婚前の未成年者ということで、歯も白く、眉もついております。
五人囃子の、五は、三天両地(さんてんりょうち)(注4)の作用に托し成長へ呪術が込められております。 また、五人囃子だけは、童顔(わらべがお)(注5)で 昔の髪型では、3人がどんずりのあそび髷になっており(小鼓(こかわ)、太鼓(たいこ)、笛(ふえ))3歳児未満を表しております。あと二人についてですが一人は(大鼓(おおかわ))で三歳頃の髪型でおわん型をしており、髪置(かみおき)(注6)のかたちに鋏を入れ頂頭の毛を結んでおります。もう一人は、(謡(うたい))で5歳頃の髪型でかむろ(深批(ふかそぎ))(注7)となっております。これは、現在の七五三の元になる考え方を盛り込み赤ちゃんが無事通過儀礼をこなしすくすくと成長していくようにとの願いを込めて飾った証と思われます。
随身は、神社等の門に鎮座する矢大臣、左大臣がモデルであると考えられます。矢大臣、左大臣がご本尊さまをお守りするのと同じように、お雛様をお守りする意味で並べられている人形です。 仕丁は、三世代を表すお人形で、顔の色は、青白く泣き顔をした人形が中央(若年、子供、未来)赤く怒った顔をした人形が向かって左(壮年、親、現在)にっこり笑った老人の顔が向かって右(老年、祖父、過去)を意味する。一番若い人が中央に座っているのは、一番大切な未来を意味しているからと推測されます。若いうち何も判らず、泣きべそをかいても壮年期の頑張りで老年には、ニコニコ笑っていられるようにとの一生に対する願いが込められています。
注釈
1.予祝(よしゅく)
あらかじめ祝ってしまう事で、現実になるのだというおまじないの考え方
2.上殿(じょうでん)
お殿様に直接拝謁できる事
3.待ち上臈(まちじょうろう)
広辞苑参照(門口まで迎えに出て婚礼の儀式の司会進行を務めたとある。)
4.三天両地(さんてんりょうち)
太陽の光と降雨、天と地、陰と陽など、生命の存在に欠かせない自然の決まり
5.童顔(わらべがお)
子供の顔
五人囃子のかしらも本来髪型を復元形したものどんずり頭三人(三才以前)孩(がい)かむろの頭 謡(うたい)(五才の通過儀礼)童(どう)
七五三祝のもとにある髪型、他に着袴(ちゃっこ)の礼(五才)帯直し等(七才)悼(とう)の通過儀礼が加わり、七五三祝の定着につながる。
6.髪置(かみおき)
髪の伸ばし始めの儀礼
7.深批(ふかそぎ)
伸びた髪の毛を肩口で揃える儀礼
ひとつは、平安の昔より行われてきた禊、祓いの意味で、赤ちゃんの身代わりとなって災厄を引き受けるお守りの役割があります。
もうひとつは、十二単をまとい結婚式に臨(のぞ)んでいる姿をさせていることの意味は、予祝(よしゅく)(注1)という考え方で赤ちゃんの将来に対しての思いを形にしてあることです(昔の豊な人たち)が、それ以上の幸せを望むには、より大きな力を持った男性との婚姻という事でした。
御内裏様は、お雛さまの結婚相手(赤ちゃんにとっては、将来の旦那様)という意味で飾られます。ですから三国一の花婿(江戸時代に対雛の考え型が確立した事を考え合わせると、天皇様か徳川様といった男性像でしょうか)を意識し立派な殿様の衣装に身を包みます。
三人官女は、お雛壇が婚礼の姿と言える所以となっている人形で、特に、中央の座った姿の人形を、待ち上臈(まちじょうろう)(注3)と言い、上殿(じょうでん)(注2)を許された身分の高い成人女性で、顔の化粧は眉なし お歯黒が正式になっております。また、両脇の二人は、立ち姿でお手伝いの巫女さんとなっております。当然、結婚前の未成年者ということで、歯も白く、眉もついております。
五人囃子の、五は、三天両地(さんてんりょうち)(注4)の作用に托し成長へ呪術が込められております。 また、五人囃子だけは、童顔(わらべがお)(注5)で 昔の髪型では、3人がどんずりのあそび髷になっており(小鼓(こかわ)、太鼓(たいこ)、笛(ふえ))3歳児未満を表しております。あと二人についてですが一人は(大鼓(おおかわ))で三歳頃の髪型でおわん型をしており、髪置(かみおき)(注6)のかたちに鋏を入れ頂頭の毛を結んでおります。もう一人は、(謡(うたい))で5歳頃の髪型でかむろ(深批(ふかそぎ))(注7)となっております。これは、現在の七五三の元になる考え方を盛り込み赤ちゃんが無事通過儀礼をこなしすくすくと成長していくようにとの願いを込めて飾った証と思われます。
随身は、神社等の門に鎮座する矢大臣、左大臣がモデルであると考えられます。矢大臣、左大臣がご本尊さまをお守りするのと同じように、お雛様をお守りする意味で並べられている人形です。 仕丁は、三世代を表すお人形で、顔の色は、青白く泣き顔をした人形が中央(若年、子供、未来)赤く怒った顔をした人形が向かって左(壮年、親、現在)にっこり笑った老人の顔が向かって右(老年、祖父、過去)を意味する。一番若い人が中央に座っているのは、一番大切な未来を意味しているからと推測されます。若いうち何も判らず、泣きべそをかいても壮年期の頑張りで老年には、ニコニコ笑っていられるようにとの一生に対する願いが込められています。
注釈
1.予祝(よしゅく)
あらかじめ祝ってしまう事で、現実になるのだというおまじないの考え方
2.上殿(じょうでん)
お殿様に直接拝謁できる事
3.待ち上臈(まちじょうろう)
広辞苑参照(門口まで迎えに出て婚礼の儀式の司会進行を務めたとある。)
4.三天両地(さんてんりょうち)
太陽の光と降雨、天と地、陰と陽など、生命の存在に欠かせない自然の決まり
5.童顔(わらべがお)
子供の顔
五人囃子のかしらも本来髪型を復元形したものどんずり頭三人(三才以前)孩(がい)かむろの頭 謡(うたい)(五才の通過儀礼)童(どう)
七五三祝のもとにある髪型、他に着袴(ちゃっこ)の礼(五才)帯直し等(七才)悼(とう)の通過儀礼が加わり、七五三祝の定着につながる。
6.髪置(かみおき)
髪の伸ばし始めの儀礼
7.深批(ふかそぎ)
伸びた髪の毛を肩口で揃える儀礼